26.08.01 「所得拡大促進税制」平成26年度 法人税改正)に対応できていますか
  税理士及び経理担当者様へ
 平成26年度税制改正において給与等支給増加額の10%の税額控除制度が拡充さ
れました。改正された制度は平成
26年4月1日以後に終了する事業年度から適用になる
のですが、平成
26年4月1日前に終了した事業年度分に関しては経過措置が手当されて
います。
 そこで平成26年4月1日前に終了した事業年度に関して旧制度の適用がなかった法人
に関しても、新制度での再検討することが必要です。
 税理士事務所では、集計対象の誤りによる適用漏れ等が無いためには、何を集計しな
ければならないかを会社の経理担当に説明して集計の協力お願いすることが大切です。
1.平成26年度税制改正前の制度の概要
   青色申告法人が平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各
  事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、次の①から
  ③までの全ての要件を満たすときには、
雇用者給与等支給増加額10%の法人税
  額の特別控除ができます。  
   
   
   
   ただし、特別税額控除額は当期の法人税額の
10%(適用法人が中小企業者等であ
  る場合には
20%)を限度とする。(措法4212の4①、同6815の5①)
   この場合における「基準年度」とは、平成25年4月1日以後に開始する核事業年度の
  うち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度とされます。
                   (措法
4212の4②四、同6815の5②四)
(平成25年度までの適用要件)
 ① 雇用者給与等支給増加額 ≧ 基準雇用者給与等支給額 ×5%
 ② 雇用者給与等支給額    ≧ 比較雇用者給与等支給額
 ③ 平均給与等支給額      ≧ 比較平均給与等支給額
 (注1) 雇用者給与等支給増加額=適用年度の雇用者給与等支給額-基準年度
      の雇用者給与等支給額
 (注2) 雇用者給与等支給額とは、本制度の適用を受けようとする事業年度(以下
     「適用年度」という。)において損金の額に算入される国内雇用者に対する給与
     等の支給額をいう。
 (注3) 基準雇用者給与等支給額とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年
     度のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度において損金の
     額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいう。
 (注4) 比較雇用者給与等支給額とは、適用年度の前事業年度において損金の額
     に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいう。
 (注5) 平均給与等支給額とは、雇用者給与等支給額から日雇い労働者に対する
     給与等の支給額を除いた金額を月別の支給対象者数の合計数で除したもの
     をいい、比較平均給与等支給額とは、比較雇用者給与等支給額から日雇い
     労働者に対する給与等の支給額を除いた金額を適用年度の前事業年度の
     月別の支給対象者数の合計数で除したものをいう。
2.改正内容
 
 (1) 雇用者給与等支給増加割合の要件緩和
    増加割合要件が下記のとおり緩和され、適用期限が2年(平成30年3月31日まで)
   延長されました。
(新措法10の5の4①、同法4212の4①、同6815の5①)
 
     
 
    
 (2) 平均給与等支給額の要件の緩和
    平均給与等支給額及び比較平均給与等支給額の計算の基礎となる国内雇用者に
   対する給与等を、
継続雇用者に対する給与等(2)に見直した上で、平均給与等
   支給額が比較平均給与等支給額を上回ること(改正前:以上であること)と変更に
   なりました。(新措法10の5の4②二、六、七、同法4212の4②二、六、七、
   同
6815の5②二、六、七

  (注1) 「継続雇用者とは、適用年度および適用開始の二の前日を含む事業年度に
     おいて給与等の支給を受けた国内雇用者
  (注2) 「継続雇用者に対する給与等とは、適用年度及びその前年度において給与
     等の支給を受けた国内雇用者に対する給与等のうち、
用保険法の一般被保
     険者
に対する給与等
をいいます。
       この場合において、高齢者等の雇用の安定に関する法律の雇用継続制度に
     基づき雇用される者に対する給与等は除かれます。
 (3) 適用時期
     平成2641日以後に終了する事業年度から適用します。
 (4) 経過措置
     法人の経過年度(平成25年4月1日以後に開始し、かつ平成26年4月1日前に
   終了する事業年度で、改正前の制度の適用を受けていない事業年度)が対象経
   過年度(経過年度を適用年度とみなしして改正後の要件の全てを満たす時のその
   経過年度)である場合には、その法人の平成
26年4月1日以後最初に終了する
   事業年度
における税額控除限度額は、当期の税額控除限度額と経過年度控除
   限度額の合計額とされます。
   (税額控除限度額及び税額基準額の経過措置)
     
    
3.雇用者給与等の集計表
 ① 旧制度による雇用者給与等の集計
   
   
 ② 新制度による雇用者給与等の集計