23.07.17 事業年度変更
投稿日:2011年07月17日日曜日 09時30分26秒
投稿者:走る税理士 志村 賢一 カテゴリー: 法人税
7月14日 4時35分 事業年度変更
(問い合わせ内容)
現在、12月の決算期を3月決算に変更したいのです。事業年度変更は簡単にできるとありますが、具体的にどのような手続きが必要で、費用はどの程度かかるのでしょうか。
(回答)
今の事業年度は定款に定めています。定款に定めた事業年度を変更するには株主総会の特別決議が必要です。
また、費用に関しては、登記事項ではありませんので、登記の必要はなく、費用も特に掛かりません。
(事業年度変更の手順)
1.株主総会(臨時又は定時)で定款変更
事業年度は定款に定めがありますので、株主総会の特別決議によって定款変更という手続により「事業年度の変更」をします。
2.株主総会議事録作成
下記の見本を参照してください。
変更後の事業年度末日と株主総会開催日に注意してください。
① 現在の事業年度は1月1日より12月31日であるが、4月1日より3月31日と変更する場合には、3月31までの株主総会によって事業年度変更の決議をします。
② 定款変更によって新たな事業年度の始まる4月1日の前日である3月31日までが事業年度となりますが、その際、この事実を明らかにする主旨から定款の附則に、例えば、「平成24年に限り、事業年度は、平成24年1月1日より同年3月31日までをもって1事業年度とする。」等の規定を設けることが適当と考えます
3.届け出
① 登記事項ではないので、登記は不要ですが、税務署・都道府県税事務所・市町村へ「異動届出書」の提出が必要です。
変更を決議した「株主総会議事録」を添付してください。
② このほか、許認可事業などを行っている場合には、管轄する省庁等への届出が必要となる場合があります。
(注意事項)
事業年度が1年を超えることとなる事業年度の変更をした場合
① 会社の事業年度は原則として1年を超えることはできませんが、会社法上「決算期を変更した場合の最初の事業年度は、1年6カ月を超えることが出来ない」と定められています(会社計算規則59条2項)。したがって、決算期を変更した場合にのみ一時的に事業年度が1年超となることが許容されることになります。
② 但し、税務上は、このような変更をした場合であっても、最初の1年を一事業年度として申告をする必要がありますので、注意が必要です(法人税法13条1項但書)。
③ 例えば、12月決算の会社が、平成23年9月の株主総会において、3月決算に変更した場合、会社法上の事業年度は平成23年1月1日~平成24年3月31日となりますが、税務上は平成23年1月1日~平成23年12月31日と平成24年1月1日~平成24年3月31日の申告が必要になります。
議事録見本 1
定時株主総会議事録
平成24年2月25日午前10時より、当会社の本店において、定時株主総会を開催した。
当日の出席株主数並びに株式数は下記のとおり。
株主の総数 4名
議決権のある当会社株主総数 4名
この株主の有する議決権数 8,000個
発行済株式総数 8,000株
出席株主数(委任状による出席者を含む) 4名
出席株主の有する議決権数 8,000個
出席取締役及び監査役 代表取締役 ○○ ○○
取締役 ○○ ○○
取締役 ○○ ○○
監査役 ○○ ○○
議長 代表取締役 ○○ ○○
議事録作成取締役 取締役 ○○ ○○
以上のとおり株主の出席があったので、本定時株主総会は適法に成立した。よって、定款の規定により代表取締役社長○○ ○○ は議長席につき、開会する旨を宣し、ただちに議事に入った。
第 号議案 定款変更の件
議長は、現行定款の事業年度を変更したい旨を詳細に説明し、総会にその賛否を問うたところ、総会は満場意義なく賛成したので次のとおり可決確定した。第5期目の事業年度は平成24年1月1日より平成24年3月31日までとし、第6期目の事業年度は平成24年4月1日より平成25年3月31日までとすることをここに確認した。
定款第24条を次のとおり変更すること。
現行定款
第24条 当会社の事業年度は毎年1月1日より翌年12月31日までの年1期とする。
変更後定款
第24条 当会社の事業年度は毎年4月1日より翌年3月31日までの年1期とする。
議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ、午前10時閉会した。以上の決議を明確にするため、この議事録を作り議長及び出席取締役がこれに記名押印する。
平成24年 1月20日
(注)遅くとも変更後の事業年度末日までの日付
株式会社 ○○○○ 臨時株主総会
議長代表取締役 A (会社代表印)
出席取締役 B (認 印)
同 C (認 印)
議事録見本 2(事業年度が1年を超えることとなる変更になる場合)
臨時株主総会議事録
平成23年9月20日午前10時より、当会社の本店において、臨時株主総会を開催した。
当日の出席株主数並びに株式数は下記のとおり。
株主の総数 4名
議決権のある当会社株主総数 4名
この株主の有する議決権数 8,000個
発行済株式総数 8,000株
出席株主数(委任状による出席者を含む) 4名
出席株主の有する議決権数 8,000個
出席取締役及び監査役 代表取締役 ○○ ○○
取締役 ○○ ○○
取締役 ○○ ○○
監査役 ○○ ○○
議長 代表取締役 ○○ ○○
議事録作成取締役 取締役 ○○ ○○
以上のとおり株主の出席があったので、本臨時株主総会は適法に成立した。よって、定款の規定により代表取締役社長○○ ○○ は議長席につき、開会する旨を宣し、ただちに議事に入った。
議 案 定款変更の件
議長は、現行定款の事業年度を変更したい旨を詳細に説明し、総会にその賛否を問うたところ、総会は満場意義なく賛成したので次のとおり可決確定した。第5期目の事業年度は平成23年1月1日より平成24年3月31日までとし、第6期目の事業年度は平成24年4月1日より平成25年3月31日までとすることをここに確認した。
定款第24条を次のとおり変更すること。
現行定款
第24条 当会社の事業年度は毎年1月1日より翌年12月31日までの年1期とする。
変更後定款
第24条 当会社の事業年度は毎年4月1日より翌年3月31日までの年1期とする。
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