26.03.15 太陽光発電と確定申告制度
投稿日:2014年04月14日月曜日 18時12分37秒
投稿者:走る税理士 志村 賢一 カテゴリー: 平成25年分 所得税の確定申告
26.03.15 太陽光発電と確定申告制度
平成25年分の所得税の確定申告時期に太陽光発電に関連する申告の依頼は、自宅の新築に伴い太陽光発電を導入した方、賃貸物件の屋上に太陽光発電を設備した方、大規模事業として許可を得て設備の取得を始めた方からの申告依頼がありました。
太陽光発電は系統連結と言われるもので、発電した電力を電力会社へ逆潮流させる手続きを行い、発電し自家使用した残り分を売電する。または発電した全量を売電するので、太陽光発電システムを導入すると必然的に売電収入が発生することになります。
したがって、個人事業主や、複数から所得を得ている方、不動産投資をしている方などは、毎年確定申告をすることがあたり前ですが、確定申告には縁のなかったサラリ-マンも、自宅に太陽光発電を設置したことによって所得税の確定申告が必要となる場合が出てくるわけです。
1. 確定申告とは
毎年1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得とその所得にかかる税金を自分で計算して、その翌年2月16日から3月15日(今年は17日)までの間に税務署に申告する手続きをいいます。
(1) 確定申告をしなければいけない人
以下に掲げる人は確定申告をしなければなりません。
・個人事業者の人
・不動産を賃貸している人
・給与の収入金額が2,000万円以上の人
・副収入が20万円以上ある人
・同族会社の役員や親族で、その同族会社から店舗等の賃貸料や貸付金の利息を受け取っている人
(2) 太陽光発電による収入を確定申告することが必要になる場合とは
① 年間の所得金額が20万円を超えた場合
この場合の所得とは収入から必要経費を引いた金額のことで、下記3(2)の方法で計算した金額です。
給与所得者や年金所得者の場合には、太陽光発電による所得が20万円未満となって申告不要となる方も多いのではないでしょうか。
② 住宅取得控除や医療費控除などで確定申告を行う場合
①は、その他の所得金額が年間20万円未満の場合に確定申告をしなくて良いという判定基準となるものであって、住宅ローン控除や医療費控除などを確定申告で行う場合には、その他の所得額がたとえ1円であっても申告することが必要となります。
2. 太陽光発電による収入を確定申告する場合の計算方法の概要
確定申告の計算方法は概ね次のように計算します。
(1) 所得区分
① 事業所得に該当する場合
太陽光発電を事業として行っている場合や、他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合には事業所得に該当すると考えます。
② 雑所得に該当する場合
給与所得者や年金所得者が太陽光発電設備を家事用資産(自宅屋上等に設置)として使用し、その余剰電力を売却しているような場合には、雑所得に該当します。
(注) 一般家庭で行われる太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。
給与所得者がこの全量売電を行っている場合の売電収入も、上記と 同様に、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当すると考えられます。(国税庁HP自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入より)
(2) 所得金額の計算
雑所得の所得額は、収入金額-必要経費で求めます。
①収入金額
1月から12月までの年間の売電収入が収入金額(入金額ではありません)で、未入金となっているものも含みます。
②必要経費
太陽光発電の必要経費の主なものとしては導入費用の減価償却費と借入金で設置した場合の借入金利子が考えられます。
イ 補助金の取り扱い
国や県・市町村等から交付を受けた補助金は取得価格から控除します。
ロ 減価償却費
導入費用は、その年に経費としてすべて参入するわけではなく、機器設備として法定耐用年数という定められた期間に分けて毎年の経費に参入することになります。
ハ 耐用年数
資産の種類・用途ごとに耐用年数が法定されていて、太陽光発電システムの耐用年数は、17年です。
ニ 減価償却費の必要経費算入額
取得価額に耐用年数に応じた償却率を乗じて計算します。が、その全てが必要経費となるとは限りません。
発電した電気を、自分で使用消費したものがある場合には、自家消費割合分を除いたものが必要経費となります。
発電量が明確にわからない場合は、おおよその割合で構いません。
例ば、全発電量のうち売電割合が80%の場合
減価償却費×80%=必要経費算入額
ホ 支払利子
減価償却と同じく、自家消費割合分を除いたものが必要経費となります。
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