22年所得税改正
投稿日:2010年08月12日木曜日 16時34分19秒
投稿者:走る税理士 志村 賢一 カテゴリー: 税法改正
平成22年度税法改正について
個人所得税
1.扶養控除の見直し
① 「所得控除から手当へ」等の観点から、子ども手当の創設とあいまって、年少扶養親族(〜15歳)に対する扶養控除(38万円)を廃止します。
② 高校の実質無償化に伴い、16〜18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)を廃止します。
※ 平成23年分から適用されます
2.生命保険料控除の改組
生命保険料控除を改組し、各保険料控除の合計適用限度額を現行の10万円から12万円に引き上げます。
(1)平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(新契約)に係る生命保険料控除
新たに介護医療保険料控除を設け、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除のそれぞれの適用限度額を4万円とします(これにより控除の合計適用限度額が12万円に引き上がります)。
(2)平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約)に係る生命保険料控除
従前と同様の一般生命保険料控除、個人年金保険料控除(それぞれの適用限度 額5万円)を適用します。
3.寄付金控除
寄付金控除の適用下限を2,000円に引き下げ
H22年分以後の所得税に適用する。
4.小規模企業等共済控除の見直し
加入対象者が拡大され、配偶者及び後継者等の共同経営者も加入できることになっ
た。
共同経営者が支払った掛け金の全額が所得控除の対象となり
共同経営者が支給を受ける分割(年金)払いの共済金は、公的年金控除を適用し、
一括払いの共済金等は退職手当等とみなされる。
5.中小企業退職金共済制度の加入者の拡大
加入対象者が拡大され、同居親族で使用従事関係が認められる従業員も加入でき
る。
6.確定拠出年金制度の拡充
従業員の拠出(マッチング拠出)を容認し、その全額を「小規模企業共済等掛金控
除」の対象とする。
7.居住用財産の買換・交換特例の見直し
譲渡資産の譲渡対価の額が2億円以下の適用要件が追加される。
H22.01.01以後の居住用財産の譲渡に適用する。
8.居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等
適用期限が2年延長
9.特定居住用財産の譲渡損失の繰り越し控除等
適用期限が2年延長
金融・証券税制
1.少額樹上株式等非課税口座の創設
金融所得課税の一体化の取組の中で個人の株式市場への参加を促進する観点から、平成24年から実施される上場株式等に係る税率の20%本則化にあわせて、次の非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置を導入します。
1. 非課税対象 :非課税口座(注)内の少額上場株式等の配当、譲渡益
2. 非課税投資額 : 口座開設年に、新規投資額で100万円を上限( 未使用枠は翌年
以降繰越不可)
3. 非課税投資総額:最大300万円《100万円×3年間[平成24年〜平成26年]》
4. 保有期間 :最長10年間、途中売却は自由( ただし、売却部分の枠は再利用
不可)
5. 口座開設数 :年間1人1口座( 毎年異なる金融機関に口座開設可)
6. 開設者 :居住者等( その年1月1日において満20歳以上である者)
7. 導入時期 :平成24年から実施される上場株式等の20%本則税率化にあわせて
導入
8. 口座開設期間 : 平成24年から平成26年までの3年間の各年
(注)非課税口座とは、非課税の適用を受けるため一定の手続により金融商品取引業者等の営業
所に設定された上場株式等の振替記載等に係る口座をいいます。
2.平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例
平成22年12月31日で廃止
(特例の概要)
現在は、平成13年9月30日以前に取得した上場株式等を譲渡する場合には、
平成13年10月1日における価額の80%相当額を取得費として譲渡所得の計算を行うことが出来る。
適用期限の平成22年12月31日の到来をもって廃止される。
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