みなさん食事をする前に「いただきます」ってちゃんと言ってますか?
 私はずっと「いただきます」って、ごはんを作ってくれた奥さんやお母さんに言うもんだと思ってたんですが、本当はちょっと違う意味もあるようです。

 こんな話しがあります。昔々インドでのお話。権力者が私利私欲にはしり民衆を苦しめていました。宗教人たちは救世主を探すべく旅にでます。その中の一人アショカ仙人が旅の途中に食べるものもなく山の中で倒れてしまいました。
 それをクマ、キツネ、ウサギが見つけて仙人の命を救うため食べ物を探そうということになりました。クマは川で魚をとり、キツネは蓄えていた木の実や果物をもってきました。
 でもウサギは仙人が食べられるようなものを蓄えていないし、狩りをすることもできません。困ったウサギは薪を拾ってきて火をつけて「どうか私を食べてください」と言って火の中に飛び込みました。驚いた仙人がウサギを火の中から拾い出したのですが既に焼け死んでいました。
 仙人は「私は救世主探しの旅を続けてきたが、救いはあなたの尊い心の中にある」と言ってウサギを頭上高くいただきました。するとウサギはそのまま天上の月にまで昇っていきました。
 ウサギは月で餅をつき、食料の少なくなる冬に月からその餅を降らせます。それが雪(幸)になったそうです。

 食べ物を食べる前に「いただきます」というのは、貴重な命に感謝することだったんですね。

 業務2課長 山岸