「所得税法等の一部を改正する法律」の公布・施行
4月30日に、平成20年度税制改正に関する法律「所得税法等の一部を改正する法律」が公布・施行されました。
このうち、適用関係についての注意が必要な租税特別措置が3つ程ありましたので、以下にご紹介します。
1.使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例 (措法62、68の67)
注意点としては、平成20年4月1日~同年4月29日の間にした使途秘匿金の支出については、追加課税がなされないようです。
2.欠損金の繰戻しによる還付の不適用 (措法66の13、68の98)
平成20年4月1日~同年4月29日の間に終了した事業年度については、欠損金の繰戻し還付制度の適用があるようです。
3.住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例 (措法70の3、70の3の2)
適用期限が経過していましたが、平成20年1月1日から適用されるとのことです。
ふ~っ、今日はチョット真面目なことを書いてみました。
慣れないことをすると結構疲れるものですね・・・。
このうち、適用関係についての注意が必要な租税特別措置が3つ程ありましたので、以下にご紹介します。
1.使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例 (措法62、68の67)
注意点としては、平成20年4月1日~同年4月29日の間にした使途秘匿金の支出については、追加課税がなされないようです。
2.欠損金の繰戻しによる還付の不適用 (措法66の13、68の98)
平成20年4月1日~同年4月29日の間に終了した事業年度については、欠損金の繰戻し還付制度の適用があるようです。
3.住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例 (措法70の3、70の3の2)
適用期限が経過していましたが、平成20年1月1日から適用されるとのことです。
ふ~っ、今日はチョット真面目なことを書いてみました。
慣れないことをすると結構疲れるものですね・・・。
私も税理士 wrote:
こういう明確な見解はかつて出されたことはありませんでした。歴史的事件です。
不利益課税不遡及の原則では、次の3つが重要で、かつそれぞれ異なった適用になります。
-----措置法第62条(使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例)---------------
法人は、その使途秘匿金の支出について法人税を納める義務があるものとし、法人が平成6年4月1日から平成20年3月31日までの間に使途秘匿金の支出をした場合・・・・
この法律規定からすると、平成20年3月31日までの間に使途秘匿金の支出をした場合には規定の適用はあるが、平成20年4月1日に支出した使途秘匿金については、適用不可です。
そうすると、平成20年4月中の支出した使途秘匿金については、この法律の適用はない、との政令か出るのではないか、と推測されました。そしてその通りでした。
-----法法第80条(欠損金の繰戻しによる還付)-------------------------------
内国法人の青色申告書である確定申告書を提出する事業年度において生じた欠損金額がある場合・・・・
-----措置法第66条の13(欠損金の繰戻しによる還付の不適用)---------------
法人税法第80条第1項の規定は、法人の平成4年4月1日から平成20年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、適用しない。
この法律規定からすると、平成20年3月31日決算会社については、租法規定が適用になっても、平成20年4月29日決算の会社については、適用不可です。
改正税法が4月30日施行ですから、平成20年4月1日?29日決算の会社についてのみ繰り戻し還付が可ということになります。
しかし、これでは他の決算期の会社との不公平が生じます。この不公平は、憲法の平等待遇の原則に原理的に逸脱することになるので、はばかられます。
そうすると、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの1年間については、この規定は適用が留保される、との政令かでるべきでした。まだ、不公平のままの政令しか出ていません。
-----措置法第61条の4(交際費等の損金不算入)------------------------------
法人が平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
この法律規定からすると、平成20年4月29日決算会社については、規定通り「平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度」そのものですから、規定はそのまま適用になります。
ただし、本年である平成20年4月1日開始事業年度の会社については、翌年3月31日までの会計期間1年間については、この規定は適用不可です。
交際費の規定は、ある期間に開始する事業年度に対する規定だからです。交際費規定は開始事業年度の規定ですから、文理的には事業年度開始のときの法律が適用されるべきです。ですから、日切れ期間に開始している事業年度の会社のみが、不利益課税不遡及の原則の恩恵を受けられるということになります。
改正税法が4月30日施行ですから、平成20年4月1日?29日開始事業年度の会社についてのみ交際費課税がないということになります。
しかし、これでは他の決算期の会社との不公平が生じます。この不公平は、憲法の平等待遇の原則に原理的に逸脱することになるので、はばかられます。
そうすると、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの1年間については、この規定は適用が留保される、との政令か出るべきでした。しかし、今のところ一切おとさたなしです。