5月19日、国税庁は2008年分相続税の申告事績を発表しました。
 今回の申告事績は、2009年10月末までに提出された申告書と、株式等納税猶予の特例の創設に伴い申告期限が2010年2月1日までに提出されたものを集計しているとされています。

 それによりますと、2008年の1年間に亡くなった人は約114万人でしたが、このうち相続税の課税対象となった人数は約4万8千人で、課税割合は4.2%となり、相続で税金がかかるのは100人に4人という状況が続いています。
 また、相続財産額の構成比は、土地が49.6%と約半数を占め、現金・預貯金等が21.5%、有価証券が13.3%の順となっておりますが、相続財産に占める割合が高い土地の評価はいまだ低迷しており、ほとんどが相続財産の課税価格が基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)の範囲内でおさまるケースが多いと見受けられます。

 2008年中の相続に係る課税価格は、10兆7,248億円(対前年分比1.0%増)、これを被相続人1人あたりでみますと、2億2,339万円(同1.5%減)となります。
 そして、税額は、1兆2,504億円(同1.0%減)、これを被相続人1人あたりでみますと、2,604万円(同3.5%減)となっております。
 今回の事績により、相続税制のあり方に注目が集まりそうです。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年6月1日現在の情報に基づいて記載しております。