長らく低迷を続けていた不動産業界ですが、最近になって首都圏では回復の兆候を見せ始めているといいます。購入を控えていた層が“過去最大規模”といわれる住宅ローン控除などの後押しを受け、購入へと動いているようです。

 一生の買い物といわれる不動産ですが、最近では共働きの夫婦も増えていることから夫婦で共有名義とするケースも珍しくありません。妻が専業主婦で財産を持たない場合は、共有名義にすると夫からの贈与として扱われ贈与税の対象となってしまいますが、夫婦がそれぞれの収入からローンを返していくことが前提なら贈与税の心配もありません。

 夫婦でマイホームを購入する場合の税メリットとしては、住宅ローン控除をダブルで受けられるという点が挙げられます。購入額が大きい場合には控除額が最大で2倍となるため見逃せない特典です。また、相続時精算課税制度もダブル適用が可能です。夫婦がそれぞれ両親から住宅資金の提供を受ける場合、最大で1億円の控除が可能となります。さらに、購入時に財産の分散が図れるために、相続税対策にもなります。

 ただし、気をつけなければいけないこともあります。一般的に、ローンの担い手が亡くなったときのために、ローンの担い手に対しては「団体信用生命保険」いわゆる「団信」をかけるものですが、夫婦共有名義にしていると、たとえば夫が亡くなった場合、団信で支払免除となる分は夫の持分だけ。妻の持分はローンを払い続けなければなりません。
 また、言うまでもないことですが、離婚の際には大きな紛争の種となってしまいます。万が一離婚したときにどうするかについては、あらかじめ良く話し合っておく必要があるでしょう。